とり残された一画・・・ECCOハウスと白金一丁目
ECCOハウスがある白金一丁目界隈はここ数年で大規模な再開発が進み、総ガラス張りのオフィスビルや高層マンションが立ち並ぶことで、“白金高輪”という言葉の響きが人々の意識にイメージさせるものとさほど違和感のない、現代的で高級感(?)のある景観に生まれ変わりました。
それ以前の白金一丁目界隈は古い町工場が軒を連ね、ノッポの煙突がそびえる大きな銭湯まであった下町情緒たっぷりの、まるで都心に位置することを忘れさせるほど時代の流れにとり残された陸の孤島でした(交通アクセスは都バスしかありませんでした)。
それが地下鉄南北線が開通し、「白金高輪」と名のついた駅が出来たとたんに区画整理が顕在化し、このわずか3年で町の様相が一変したのです。
それでも唯一、この再開発の波から免れたささやかな一画がありました。それがECCOハウスのたたずむ路地なのです。
ここは明らかに時間の流れや空気感が違います。知っている人には昭和40年代の風情を彷彿とさせるかもしれません。美しい毛並みの飼い猫やノラ猫たちがいつものんびりくつろいでいます。なぜか金魚やメダカが泳ぐ瓶も道端に置いてあったりします。
閉鎖してそのままになっている工場(こうば)もありますし、まだ稼動している小さな工場もあります。そんな一画にECCOハウスは軒を連ねて建っています。はじめて来た人はみな驚きます。“白金高輪”というイメージを胸に抱いてやってくるので仕方がありません。
“路地”は幻想文学に限らず純文学の世界でも“異界の入り口”として描かれることが多いのですが、変性意識へとあなたを誘うフローティングシェルやフローティングマカバが実際にあるこの路地は、まさに“異界の入り口”という名に恥じない、文学的な“路地”といえるかもしれません。
最初は躊躇されるかもしれませんが、会員のほとんどの方がこの路地に通うことに不思議な愛着を抱くようになります。道行く人の流れからそれてひょいとこの路地に踏み込んだとたん、あなたの意識はこれから参入するシェルやマカバの非日常的世界に向けてリセットされるようになるかもしれません。
ECCOハウスがこの、誰もがまったく気にかけずに素通りするような、時代や場所に不釣合いな路地の一画にあるのは偶然なのでしょうか?
それはここを新た訪れるあなた自身で感じてみてください。
ECCOハウスを包み込むアイビー
後に“ECCOハウス”と命名するこの家の一階に私(宮部)が住居として越してきたのは8年前の1998年5月でした。それからアイソレーションタンクを設置した2002年9月までの4年間、アイビーは家の南の壁面を這っているだけで特に目立った感じではありませんでした。
しかしアイビーはそれから少しずつ西側の一階部分に広がりを見せ始め、2004年10月に二階も借りるようになった頃から二階の西側も覆い始めます。そして2005年の春にいよいよ勢いを増し、今年2006年の春を迎えたいま、北側の壁を除くほぼすべてを包み込んでしまいました。
いったい何が起こっているのでしょう?
しかも一枚一枚の葉の大きさがこれまで以上に増しているようなのです。ECCOハウスを南から見た景観は、まるで愛知万博のマスコットになった“モリゾー”そのもののようです。
ご要望のECCO会員には、このアイビーのおすそ分けをいたします。切断面をコップの水につけておくとすぐに根が生えてくるそうです。ECCOハウスを栄養分として育ったアイビーが皆さんを介して全国で繁殖していく・・・そんなイメージを広げてみるのもなかなか楽しいですね。
ちなみにこの界隈にアイビーが絡みついた家はECCOハウス以外にありません。




